正しい動きは「スローモーション」でインプットする
野球を始めたばかりの子どもたちを見ていると、「おぉ、そう来たか!」と、想像を超える投げ方や打ち方に出会うことがあります。
ピッチングフォームというより忍者の手裏剣、バッティングというより剣道の面打ち…。最初は本当に自由です(笑)。
でも、ここが大事な出発点。
最初から型にはめるよりも「正しい動きに、どう導くか」が指導者の腕の見せどころだと感じています。
で、僕が最近よくやっているのが「スロー再生方式」。
テレビのリプレイのように、動きを分解して、ゆっくり繋げて、少しずつスピードアップしていく。この3ステップを基本にしています。
まずは「分解」
例えばスローイングなら、「足の向き」「肘の位置」「手のひらの向き」など、一つひとつの動作を止めながら確認していきます。
この段階ではまだ投げません。とにかく正しいポジションに“止まれるかが大切。
次に「スローモーション」
止めていた動きをゆっくり繋げていく。
実際にボールを使わなくてもいい。フォームの動きだけを、スローテンポで反復。
この時のキーワードは「雑にしない」。ゆっくり動かすことで、“動きの質”が見える化されるんです。
そして最後に「スピードアップ」
ゆっくり丁寧に繰り返した動きを、徐々に本来のスピードに近づけていく。
ここまでくると、動きはだいぶ馴染んできます。
「形」から「流れ」へ。「意識」から「自然」へと変わっていく感覚。
もちろん、一発でできる子なんていません。
途中でフォームがぐにゃっと崩れたり、「あれ?こんなんだったっけ?」と自分で笑い出す子もいます。
でもそれでOK。
“動きの土台”を丁寧につくることが、将来の大きな伸びしろになります。
大人の僕たちはつい「ほら、こうやってやるんだよ」って全部詰め込みたくなりますが、子どもは一気に処理できません。
まずは“小分け”にして、ゆっくりと体にしみ込ませていく。
焦らず、慌てず、ひとつずつ。
今日もスロー再生でコツコツ積み上げていきます。

